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国を挙げて取り組み始めた図書館事業

− そういう点ではNGOなどのボランティア団体がスラムの中や地方の農村部などに少しでも教育に触れられる機会を提供することは大きな意味を持つと思います。実際に長年に渡って活動をされてきてどんな成果が得られましたか?

たくさんあるんですが、例えば、15年近く前に私達が作った学校で学んだ生徒のうち数人が今は教師として再び学校に戻ってきて教壇に立っていたりするケースがあるんです。こういうことは嬉しいことですよね。

図書館活動の様子

− それは素晴らしい!ボランティアでは一時的な援助も重要ですけど、もっと大切なのはその後、その国の人たちが持続的に発展していける仕組みを作っていくことだと思います。卒業生が再び、教師として学校に戻ってくるということは教育の循環が始まっている証ですね。

でも、最初は現地の教育省や学校関係者からは「こんなのは教育ではない、猿芸だ」と言われていたんですよ。ところが、ある時小学校の先生が真似して読み聞かせをやってみたら生徒の遅刻が減ったりして子供たちの評判がすごく良かったんですね。それまでは先生というと黒板の前に立って怖い顔していたり、悪いことをしたら鞭を持ってお仕置きをしたりという方法しか、教える側の彼らも知らなかったわけですが、だんだん、鞭よりも絵本の方が子供は振り向くということに気がつき始めていったんです。

− なるほど。先生も日本などのように教師になる資格を取ったり、トレーニングを受けて子供の扱いを熟知しているわけじゃないということですね。

そうなんです。残った村人の大人がたまたま教えているというケースが実際には多いんです。ですから、そうやって一つのクラスで本の読み聞かせが人気になるのを目の当たりにすると他の先生も真似をするようになってやがてそれが隣の学校に知れ渡って・・・という感じでだんだん、浸透していった感じなんです。

− おもしろいですね。良い話は噂を呼んでどんどん浸透しますからね。

結局、最後は教育省が見学に訪れて各州に人材を残そうという話になって、今はこのプロジェクトを全国統一でやろうという動きになって、実際に教育省のカリキュラムにも入りましたし、その為の人材育成を始めたりマニュアルを一緒に作りはじめた段階です。

絵本を楽しむ子供たち

− それは大きな進歩ですね。国のプロジェクトとして認められたということですから。

猿芸と言われていた頃から永い年月がかかりましたけど、なによりも子供達が支持してくれたことが政府や周りの大人達を動かしていったという点ではとても多くのことを学びました。もう数年前から現地では読み聞かせはカンボジア人がやるようになっていますし、実際にシャンティの図書館で幼い頃を過ごした子が大人になって今度は支援する側に回ったりしています。

− 鎌倉さんが最初に滞在されていた時期はまだまだ政情不安が残っていた時期ですよね。その頃から比べたら大きな変化といえますね。

私が始めてカンボジアへ渡ったのは97年の夏で98年から正式にカンボジアに滞在したのですが、やはり、当時は暗くなるとみんなシャッターを閉めてゴーストタウンのようになり外からは銃声も聞こえましたし、怖いイメージはありましたね。ところが、2007年にカンボジアを離れる時の一番の違いは外から子供の声が聞こえてくるようになったことなんです。これは嬉しかったですし、やっと本当の意味で復興し始めたんだなっていう感覚を得られたのを覚えています。もっとも、今ではビルも立ち並び更に近代化が進んでいますけどね。

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