Earth Interview28 梅若ソラヤ
1983年東京生まれ。日本とレバノンのハーフ、日本とイギリス育ち。600年の伝統を受け継ぐ能楽師の父を持つ。3歳から能の舞台に立ち、幼少時はイギリスで暮らすが、11歳で日本に戻る。高校生の頃から、近所の身体障害者やフィリピンのホームレスのためのボランティア活動を行なうようになる。米国プリンストン大学在学中の2006年に年に2人しか選ばれないLabouisse Fellowshipに選ばれ、ブラジル北東部に半年間滞在し、国連ボランティアの社会開発プロジェクトをモチーフにドキュメンタリーの撮影を行う。

カッティングエッジな視点で撮影された作品群が海外の映画祭で評価を受ける一方、その活動が2010年にイタリア「マヨラナ研究所国際会議」において、「精神・脳・教育賞」を受賞。2012年にレバノンで製作したドキュメンタリー映画『Tomorrow We Will See』がBader Young Entrepreneur's Prizeの陪審賞を受賞。若き女流ドキュメンタリー映像作家が伝える世界の現実とは。アースタイムズ代表、須藤茂との対談をお送りします。

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好奇心を持ち土地の人と信頼関係を築く

― ソラヤさんはアメリカのプリンストン大学で比較政治学を学んでいらっしゃったそうですが、どんな経緯でドキュメンタリー系の映像を取り始めたんですか?

大学一年生の夏にアフガニスタンで文化センターの研修員として孤児院を回ったりする機会があったんですけど、その時に忘れないようにと記録用に撮った素材を帰国してから編集をした時に作業自体が面白いと思って、それから様々なところに出かけてカメラを回すようになったんです。

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対談中の様子

― じゃあ、最初は何かの影響を受けて映像作家を目指したというよりも編集作業とかが好きでカメラを回すようになっていったんですね?

そうなんです。学生の間には他にもカンボジアやラオスとかいろいろなところに行くたびにカメラを持っていき、編集したものを友達に見せたりしていました。その後、大学三年生の時に大学から奨学金を貰ってエクアドルのストリートチルドレンセンターでボランティアに参加する機会を得られたんです。その時の取材から本格的に作品として撮るようになりました。

― それがデビュー作「Street Witness」ですね。ソラヤさんの作品を見るとブラジルでもエクアドルでもスラム街の人達ともとても良好な人間関係を築いていることがすごいなと思うんですけど、どのように人間関係を築いていくんですか?

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私はその土地に住んで時間をかけて仲良くなっていきます。やっぱり信頼関係が出来なければカメラを回すこともできないし、本音で話してはくれないですから。

― 普通、見ず知らずの外国人が突然、来て自分たちの生活について根掘り葉掘り聞かれたらいい気がする人はいないだろうし、一歩間違えたら身の危険にも繋がりかねないじゃないですか。

ホント、そうですね。でも、きちんと彼らに受け入れてもらえるようになると、例えば私が何気なくあるいている時も危険なエリアに入るとそこで出来た友人達が「今はカメラをしまったほうがいい」とか教えてくれるようになるんです。そういうことが判断できないと確かに身の危険に繋がるんだけどそれは私達にはわからないところもありますから。信頼できる仲間や友人を作っていくことは大切ですね。

― 実際に住んで信頼を得るまでは結構な時間を費やしたんですか?

ブラジルの場合だと6ヶ月ぐらいかな。

― やはり、けっこうかかるんですね。

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リオデジャネイロでグラフィティーアーティストを取材している時の様子

そうですね。一般的なジャーナリストの場合、締切り等の関係上あまり時間をかける事が出来ないのですが、私の場合じっくりと時間をかけることによって撮影する人との友情も深まり、それによって質問の内容も変わってくるというのを実感しています。最初は誰も知り合いがいない状態からスタートだったのですが、まずはポルトガル語を覚えないとコミュニケーションが出来ないし、それから住む所も彼らと同じ環境じゃなければならないと思ったのでいろいろな人に聞きまわっていたのですが、運よくホームステイをすることができました。その間にポルトガル語も実戦で勉強出来ましたし。

― 確かに積極的なコミュニケーション能力とそれに伴う果敢な行動力が無いとなかなか出来ないことですね。取材対象者にはどんな風に依頼していくんですか?

例えば『私は幸せ』(“Eu Sou Feliz/I Am Happy”)に出てくるグラフィティアーティストは彼の作品を見てすごく感動したので、すぐに連絡して取材依頼したり、サンバのダンサーはスタジオに見学に行って終わった後に声をかけたり、全部その場で依頼をしていく感じです(笑)。

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