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ジャンルや形にこだわらず、もっとわかりやすくタップを伝えたい。

― 結局また、自分自身と向き合うことに戻ってくるんですね。でも、その言葉が逆にモチベーションになるっていう点では大きなチャンスだったかもしれないですね。

日本に戻ってからは自分自身や日本の文化とも向き合いながらグループをつくって活動し、常に自分は何者なのか?と問い続けていました。でも、そうやって思い続けながら活動を続けていったから、後の北野武監督の映画「座頭市」に繋がったり、アメリカでの問いに対する答えとして「Who am I」というミュージカルをつくったりと自分なりの答えに繋がっていったのかなって思っています。

― 新しいことを追求し、パイオニアになろうとすると当然、周りの状況との温度差も生まれてくるだろうしストレスもあったと思うんですが、その辺りはどうでしたか?

Earth Interview HIDEBOH

やっぱり、特に若い頃は自分が信じて表現していきたいものと僕を呼んで下さる側やお客様が求めているモノとが全然違いましたから「なんでわからないんだよ」っていう悔しい思いをしたり、葛藤したことは何度もありましたよ。

自分の中ではこうしたら、ウケるというのはわかるんだけど、それは過去のものや何かのサルまねだったり、僕にとって面白いものではないからやりたくないんですよね。でも、よく考えると時代を超えて残っているモノというのは良いものなわけだし、仕事である限り、お客様に一方的に押し付けるのではなく、様々な世代の方に喜んでいただく為の努力をするのは当たり前でその中に自分なりの個性を足していくということを、歳を重ねるごとにやるようになってスタンスが変わってきましたね。

― これまでのオリジナリティを追求してきた一つのカタチや答えとしてHIDEBOHさんの提唱されているオリジナルスタイルの「ファンカステップ」もあると思うのですが、どんな背景で生まれてきたんですか?

ちょっとマニアックな話になっちゃうんですけどタップの元になっているスウィングジャズのタイム感とファンクのリズム体って同じになるんですね。それで昔のタップの技術をちょっと改良して今のブラックミュージックの中にはめ込むっていうことをやったら面白いじゃないかと高校生ぐらいの頃から思っていたんです。それで最初は「ジャパニーズファンクスウィング」なんて呼んで自分なりに活動していたのですが、もっとこれまでの古いイメージとは違うことをやっているんだぞっていうことと若い人たちにもアピールしやすいという意味合いも込めてある時から「ファンカステップ」と呼ぶようになりました。

― そういう地道な努力やジャンルレスに関わっていく活動が実ってきて日本における「タップダンス」の知名度はHIDEBOHさんの活躍でここ10年ぐらいでも広がりましたよね。

Earth Interview HIDEBOH

もともと、タップはマニアックな要素があるダンスなので突き詰めると本当にきりが無いぐらい深い世界なんです。そういう点ではたけしさんの演出の発想もあり、日本の時代劇と洋モノのタップを合わせてまったく新しい形で提供できた座頭市は海外での評価も得られましたし、タップについて詳しくない人や知らない人でも単純に「面白い!」って思ってもらえたということは結果的に多くの人にタップの魅力を伝えられたわけです。自分としては「型」にハマったイメージをできるだけ崩してより多くの人に触れてもらいたいし、その為にはわかりやすい形でエンターテイメントとして提供するっていうことはいつも意識しています。

― 毎回、新しい試みをしようとされているのがお客さんにも伝わっていると思うし、実際に様々なジャンルとのコラボレーションを見るのは見る側としてはとてもワクワクします。今はダンサーであることはもちろん、ご自分で演出から振付までほとんど全てをやってらっしゃいますが、今後のバランスはどのように考えていますか?

どこかで引退して作り手側に回って演出に専念しようとか、そういう発想はまったくないですね。やりたいことはたくさんあるし、作り手側にも回りますが、ダンサーとしては死ぬまで現役でやると思います。何より浅草のボードビリアンであった親父もそうでしたが、僕はエンターテイナーであり芸人ですから、体が動く限り舞台には立ちつづけますよ。きっと自分で限界を決めたり、何かを諦めるということが本当に嫌いなんですよね。

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